決闘 氷雨VSヴァスレ -沙光鉱山深部の聖域にて-

「今こそお前を超えてみせる!未来を切り拓く力もないお前が他人を巻き込んで、夢を見させた罪は重いぞ氷雨!!」
「沙光の一族の悲願、ささやかな夢を汝の様な凡夫に理解されようとも思わぬ。最高の一振りを。最強の一刀を。
たった一度の悪夢でその機会を奪われてなるものか。鍛冶場を奪われ屍の様に生きて、何が沙光か。
某に罪があると致すなら、我が兄が妖刀鍛造中に彼奴を殺せなかったことだろうよ」
「お前達がそんなだからそんなモンが出来上がっちまったんだろうが!もう見てられねえんだよ!
お前達の未来は俺が取り返してやる!!」
「抜かせ、小僧。鼻垂れた悪童が出来る事など限られている。引っ込んでいろ。」
「アンタが引っ込んで隠居しろクソジジイ!!」

誰も彼もを不幸にして夢へ突き進んできた一族に新たな風を。
凍え切った彼らに光を。
鍛冶師の身で人外の領域に至った剣士の剣戟を間近に受けながら、ヴァスレは沙光の救済を願う。
死闘の先に新しい沙光があると信じて。